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スラマッパギ!(各国のアンバサダーのようにマレー語で挨拶してみます(笑))
マレーシアからHANAです。現在保育園で手足口病が大流行。次男もしっかり感染し、長男も発熱してしまったため、看病に仕事に夫婦共々疲弊している今日この頃。そんな中、私も少し調子を崩してしまったため、今回は夫がピンチヒッター!夫目線で移住体験を語ってもらういい機会と思い、執筆をお願いしてみました。
日本でインフラ関係の仕事をしていた彼が、英語力ゼロ・海外経験ゼロのまま40代で「主夫」としてマレーシア移住して感じたこととは?
英語が話せない僕が主夫になるしかなかった
初めまして、佐々木岳史です。普段、アンバサダー記事を書いている佐々木華江の夫で、マレーシアでは「主夫」をしています。
僕たち家族がマレーシアに来たのは2年前。子どもは当時5歳と1歳。まもなく彼らは7歳と3歳です。移住を決めた一番の理由は、「子どもたちに自然と英語に触れられる環境を与えたい」という思いからでした。ただ問題は、自分がまったく英語を話せないということ……。
選択肢は一つ、「主夫になる」でした。掃除、洗濯、料理、子どもの送り迎え、体調不良時の呼び出し対応――。今思えば、異国で子育てをしながら夫婦共に働くなんて無理だったなと思います。
精神的に一番キツかったのは最初の3ヶ月

マレーシアに到着してからの最初の1ヶ月は、子供たちが保育園にすぐ入れる状態ではなかったため、2人をほぼワンオペで見る日々でした。長男は最初の2週間だけでしたが、1歳を越えたばかりの次男とは3ヶ月間ずっとふたりきり。
正直、仕事していた頃よりも遥かに大変でした。泣きやまない夜、離乳食が全然進まない日、おむつを変えている横で上の子が「ねぇパパ!」と呼び続けるプレッシャー……。今だから笑って話せますが、当時は毎日が地獄。自然と笑うことができなくなり、心が折れる寸前でした。
でも、マレーシアの人の優しさに救われた
移住してすぐの頃は、お店で「Plastic? (レジ袋必要?)」と聞かれても意味がわからず、フリーズしていました(笑)。新しいお店に入るだけで緊張し、レジでは変な汗がジワリ。
しかしそんな中でも、マレーシアの人たちはみんな優しかった。言葉が通じなくても嫌な顔されることはないし、困っていたら身振り手振り助けてくれる。そのうち、僕自身も自然と心が軽くなっていきました。
アメリカやイギリスのような英語ネイティブ圏であれば、もしかしたらこの穏やかさはなかったかもしれません。いつも周りの目を気にしてばかりで、すぐ「Sorry」と言ってしまう自分を見つめ直すきっかけにもなりました。
「主夫」としての自分を認められるように

日本にいた頃「男は外で働くもの」という価値観に縛られていた自分。最初は「主夫って何をすればいいの?」「自分って何なんだ?」と戸惑いが大きかったけれど、マレーシアで主婦をしている日本人ママさんたちと話すようになり、いつしか自然と共感する自分に気づいて驚きました。「自分、ちゃんと主夫やれてるじゃん」と、少しづつ自信を持てるように。
料理の献立を毎日考えるのが思ったより遥かにしんどいこと、子どもの勉強に付き合ってみるとすぐにイライラしてしまい、自分の粘り強さのなさに落ち込むこと……。どれも、日本では感じたことのなかった気持ちでした。
固定観念が崩れて、夫婦の関係にも変化が
マレーシアに来てから、周りとのコミュニケーションの取り方や役割分担についても、夫婦で話す機会が自然と増えました。「鬼コミュ力」のある妻は、すぐに地元のママ友を作ってネットワークを広げていきます。その行動力には脱帽で、ちょっと怖いくらい(笑)。
そんな彼女と一緒に生活する中で、「自分はこれでいいのか?」ではなく、「自分たちらしい形ってなんだろう?」と考えるようになりました。夫婦がそれぞれの強みを活かして家庭を支える。そんな柔軟な価値観を受け入れられるようになったのも、大きな変化です。
未知の生き物との出会いが日々の楽しみに

そんなマレーシア生活で密かな楽しみになっているのが、「野生の生き物探し」。「コモドドラゴンが現れたか!?」と見間違えるほどの巨大なミズオオトカゲが目の前の道路を堂々と歩いていたり、1.5リットルのペットボトルくらいの太さの大蛇を見つけたり!
動物園でも、飼育されているのか野生なのか分からない猿やデカい鳥があちらこちらに。日本ではなかなかできない体験です。
5年以内に叶えたい僕の夢のひとつに、「タマンネガラ国立公園」に行きブンブン(動物観察小屋)に泊まる!があります。これは僕が今でも愛してやまない「水曜どうでしょう」というテレビ番組の企画で紹介されていた場所です。
「どうでしょう」ファン仲間と「いつかブンブン泊まりたいね」と話していた国にまさか今自分がいるとは!これはもう行くしかないでしょうとテンションUP。流石に1人で行くのは難しそうなので、ツアーを探すかSNSで仲間を探し、いつか実現させたいと思っています。これを読んだマレーシアにいる「どうでしょう」ファンの方、連絡お待ちしております(笑)。
移住してよかったと思えるように
最初は「子どものため」と思って始めた移住でしたが、今では僕自身にとっても、ものすごく価値のある経験になっています。ようやくパパ友も2人できました。2人とも日本人ですが、共通の趣味がある人と、過去の境遇が似ている人で理解しあえる貴重な存在です。
次は、マレーシア人のパパ友を作ることが目標です。英語力は未だにゼロに等しいですが、少しずつ前に進んでいこうと思います。
海外移住は「特別な人がすること」と思われがちですが、実際にやってみると、誰でもできるというのが僕の経験からの感想です。でも、決して楽ではありません。頼れる家族が近くにいない不安、言葉が通じないストレス、家事育児の重さ……。それでも、「今まで見えなかった家族の姿」や「自分自身の弱さ・強さ」と向き合える時間になります。
僕は主夫として、子どもたちと過ごす時間が増え、家族の中での自分の存在をより実感できるようになりました。「自分が変わると、周りも変わる」――そんなことを日々感じながら、これからもマレーシアでの暮らしを楽しんでいきたいと思います。
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