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豪華なお誕生日会にびっくり
マレーシアに移住してきて驚いたことのひとつ。それが、子どものお誕生日会です。
というのも今、マレーシアでは我が子のために大金を払って、豪華なお誕生日会を開くことが流行しています。最近の我が家は、月2回は息子の友人のお誕生日会に参加しています。
プレゼントの準備は大変ですが、普段ゆっくり話す機会のない息子の友人のご両親を知るきっかけにもなるし、子どもたちもとても楽しそうなので、私はお誘いを受けたものにはできるだけ顔を出すようにしています。
ピエロに綿飴マシーン…親は試行錯誤!
長男がマレーシアの幼稚園に入って1ヶ月ほど経った頃、帰宅した息子のリュックに可愛らしいデザインの招待状が入っていました。「室内の遊び場を貸し切ってパーティーをするので、お返事ください。参加人数も教えてください」とのこと。
まずは興味本位で長男と私で参加することに。会場に着くと、これは結婚式の2次会ではないか!?と思えるほど豪華な装飾に、美味しそうに並んだブッフェ形式の食事。
そしてたくさんの人!60人はいたのではないかと思います。よく見ると主役の子のクラスメートや親戚、習い事のお友達などが家族総出で参加しているではありませんか。

会場ではピエロが器用に作ったバルーンアートを配り歩き、マジックショーの時間もありました。他にも、綿飴マシーンやサンドアートの体験コーナーなど、どれもこれも子ども心をくすぐるものばかり。
さらに驚くのは、費用は全てお誕生日の子の家族持ちということ。ゲストはプレゼントを用意するのみです。
そんな中で少しずつわかってきたのは、マレーシアの誕生日会は一種の「ソーシャルイベント」なのだということ。車社会であり親の送迎が不可欠な中で生活する子どもたちは、滅多に友達と学校外で遊ぶ機会がないので、誕生日会が特別なひとときになっているようです。
また1歳など、本人がまだ状況を分かっていない年齢から豪華なパーティをやっているところを目にすると、これはもう本人というよりは大人の社交の場である要素が大きいということが理解できます。
我が家は「少人数×クッキング体験」

そんな中、我が家の長男の7歳の誕生日が近づいてきました。お友達のパーティーに参加しているので、自分ももちろんやってもらえるものと楽しみにしていたようです。
とはいえ、私も勝手がわからないし、大人数をご招待して盛大な会を開くのは現実的に難しいと感じていました。下の子もまだ2歳。イベント準備と仕事・育児の両立はなかなかハードルが高い……。
それでも、「せっかくなら思い出に残るようなことをしてあげたい」と一念発起。夫と相談の上、クラスの中でも特に仲良くしているお友達のうち、親同士で連絡が取れる数組にお声がけし、12人の子どもが参加の少人数でクッキング体験型の誕生日会を開くことにしました。
会場の下見から、大変な準備のスタート

会場は、近所にある子ども向けクッキングスタジオを選びました。ここは、5歳からできるレッスンがあり、普段からローカルの子どもたちに人気の場所。事前にスタジオの下見と、親子でのミニ体験レッスンも受けて、「これなら安心してお友達を招待できる」と確信を持って本予約に踏み切りました。
その後は、怒涛の準備期間です。
・招待者リストの作成
・招待状のデザイン
・子どもたちへのお返しプレゼント準備
・誕生日ケーキのオーダー(好きなキャラクターのデザインで)
・当日作るおかしの選定
・デポジット(前金)の支払い
・ケータリングで用意する軽食やドリンクの選定

書き出してみると、少人数とはいえ準備することは想像以上に多く、正直なところ途中で「なんでこんなに頑張ってるんだろう。もう辞めちゃおうかな」と挫折しかけた瞬間もありました(笑)。
子どもたちは夢中、大人はバタバタ

当日は、先生に教えてもらいながらキャラクターマカロン作りに挑戦。子どもたちは小さなエプロンをつけ、普段できない体験に大はしゃぎでした。最後は自分たちで作った完成品に感激!それを見た時は、頑張って準備して本当に良かったなと心から思いました。
大人たちはというと、我が子のクッキングの様子をみながら談笑。これまで交流が持てなかった親同士が繋がり合う機会となりました。英語のできないパパのお仕事は、2歳の次男の相手(笑)。「ぼくもつくりたい!」「あっちいきたい!」と自由奔放な次男に振り回され夫は終始バタバタしていたものの、足りなくなりそうなピザの追加オーダーなどのお仕事もしっかりこなしてくれました。
参加してくれたご家庭からは、「少人数だからアットホームで良かった!」「教育的な要素があり素晴らしかった」と嬉しい感想をいただき、またひとつ、子どもたちの心に残る思い出が増えたのではと思います。
無理せず、でも丁寧に

マレーシアの誕生日会文化に触れて感じたのは、「見栄ではなく、子どものために真剣に楽しませようとする親たちの気持ち」が根底にあるということ。たとえ豪華に見えても、それぞれの家庭の事情や工夫があって成り立っているのだと知り、無理に真似する必要はないと思えるようになりました。
「ザ・豪華誕生日会」だけでなく、仲の良い家族同士で集まって、お家でピザパーティーや水遊びを楽しんだり、食べ物を持ち寄って公園でピクニックをしたりするスタイルもあるようです。費用も私の知る範囲で5万〜50万円(それ以上も!)など人それぞれ。
どのスタイルにも共通しているのは、「参加する人たちがリラックスして楽しめる」雰囲気作りに力を入れていること。誰が呼ばれたか、呼ばれてないかなどナンセンスなしがらみがないところはマレーシア人のおおらかさを感じます。
「何か特別なことをしなければ」と気負う必要はまったくありません。大切なのは、その子がその日をどう過ごしたか、どんな気持ちで笑っていたか。そして親子で一緒に準備した時間や思い出こそが、宝物になるのだと思います。
ただ、我が家では会場を借りるような大きな誕生日会は1回きりと決めています。さすがにこんな苦労と出費(今回は約12万円の出費となりました)、毎年やるのは大変過ぎますから。「よそはよそ。うちはうち」とは便利な言葉ですね(笑)。
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