
夫が日本、母子がマレーシアという「逆単身赴任」で教育移住を実現したもえこさん。長女まおさんへのインタビュー後編です。いろんなバックグラウンドをもつクラスメートの交流でまおさんはどんなことを学んだのでしょうか? また、12歳になった今、将来のことをどんな風に考えているのでしょうか?
本名が3つ?多国籍の友だちとの交流
――インターナショナルスクールでいろんな背景の友だちがいるのをどう感じている?
面白いし楽しいよ。その子の国のことを習えるし、みんな知っていることが違うから、知らなかったことを知れるのが面白い。
――例えばどんなことを知って驚いた?
あるマレーシア人の友だちは、英語名、チャイニーズ名、ベトナム名の3つの名前を持っていて、どの名前がオフィシャルなの?と聞いたら、全部オフィシャルネームだと言うので、本名が3つもあるのかと驚いたよ。
ある日本語を話す友だちは、日本から来たけど両親は韓国人なので韓国パスポートを持っていたな。生まれた土地ではなく、親の国籍が子どもの国籍になるんだなーと、スクールトリップ(遠足)の時にみんなのパスポートを見せ合った時に知ったよ。
日本の学校と比べてどう?

――いろんなルーツの子がいるから、話す言葉も名前も、おじいちゃんおばあちゃんの国籍とかみんな違うもんね。学校の先生はどう?
担任はイギリスとか南アフリカとか英語圏の国からの先生で、アシスタントティーチャーはマレーシア人の先生だよ。
一番好きな先生は、Year2と4の時に担任だった、イギリスからきた面白くて、優しい男の先生。チョコレートの歴史を学ぶ時に、知らない難しい言葉もあったけど、ゆっくりと話してくれるし、絵やビデオを見ながら理解をして進んでいく授業だから楽しかった!
――みんなから愛される素敵な先生だったよね。マレーシアきたばかりの不安な時期に優しく寄り添ってくれる担任で、私も頼りにしていた先生だったな。まおちゃんは日本の小学校も短期間の体験登校したことあるけど、両方の学校を比べて違うところはある?
インターのいいところは、ワークブック(教科書)がなくて、先生と話しをしながら勉強できるインタラクティブなところが好き。
日本の学校は、給食をみんなで準備して一斉に食べることが新鮮で面白かった。でも給食の量が少なくて実は物足りなかったな。インターだと食堂で自由な場所に友だちと座って食べるから、ランチタイムは席の確保と弁当を取りにいく人と役割分担してちょっと大変。
多種多様な学校行事!
――マレーシアの学校行事について教えて?
学年ごとの水泳大会やスポーツデー、他の学校とのスポーツの交流戦もあるよ。年に1回のインターナショナルデーでは、みんなの出身国を祝うイベントが楽しい。私は浴衣を着てパレードをしたり、今年はダイナミック琉球でよさこいを披露したりしたよ。

マレーシアの祝日はたくさんあって、ハリラヤ(イスラムのお祝い)、チャイニーズニューイヤー(旧正月)、ディパバリ(ヒンドゥーのお祝い)と新年は3回あるし、その他にもイースターやクリスマスも祝うからパーティーが多い。
年1回のプロダクション(演劇)もあるよ。6ヶ月くらいかけて練習をするから、週1回放課後クラブと、土曜にもたまに学校に集まってみんなで練習するよ。
本番は校内発表1日、保護者や外部発表に向けて2日の3日間公演をするから結構大変。でも、みんなでショーを作るのは楽しいし、他の学年の友だちもできるのが良いところかな。
――美術セットや衣装・メイクは保護者が、照明や音響は学校スタッフがプロフェッショナルにしてくれるから、みんなで協力する一大イベントだよね。毎回見応えがあって私も楽しんでいるよ!マレーシアで英語を習得して、英語と日本語を話せるようになってどう感じている?
私は2つの言語が使えるバイリンガルだと思っている。日本語は分かるから日本の生活で困ることはないし、英語は世界中の人が話す言葉だからどこに行っても色んな人と話せるのがいいと思う。
これから先どんな生活を送りたい?
――まおちゃんは12歳の今、どんな将来を思い描いている?
来年はY8で生徒代表のHeadGirlになるから、学校をみんながちょっとでも居心地が良くなるようにできたらいいなと思う。

Y8より先のことは今は考えてない。とりあえず目の前のことを頑張ってからかな。次に進む学校は、英語と日本語と両方できる学校がいいなと思ってるよ。
――英語と日本語の使い心地はどんな感じ?
英語の方が読み書きはconfortableかな。それはいつも学校で使っているから。日本語を話している時に英語は混ざるけど、英語を話してる時に日本語は混ざってこないから、多分英語の方が話しやすい感じ。
――日本語は毎週土曜日に日本語補習授業校に通って、とっても頑張ったよね。パパと離れて、ママと弟と3人のマレーシア生活はどう?
パパとおじいちゃんおばあちゃんに頻繁に会えないのは寂しいけど、たまに会えると倍嬉しく感じる。でもやっぱりパパと一緒にいたいなと思う。
――そうだよね。近い将来、パパと一緒に暮らせるように計画しているよ。
今回は、マレーシアのインターで6年間を過ごした娘(小6、12歳)にインタビューをしてみました。娘は学校エンジョイ勢なので、どのアクティビティにも積極的。参加者として楽しむだけでなく、リーダーとして下級生のお世話やイベント運営を経験したり、学校外でのボランティア活動で地元コミュニティとの繋がりも楽しんでいます。
マレーシアのインターナショナルスクールで体験できる経験を大満喫してくれているので、娘の頑張りは誇らしく、学費を払っている甲斐があるな〜と親としても大満足です!
私の「マレーシアで子育てしたい!」という希望で連れて来たのであり、本人たちの希望で英語環境にいるわけではなく、様々な苦労もありました。ですが人間形成に大切な幼少期をマレーシアのインターナショナルスクールで過ごし、学校の先生や友だちに愛されて過ごせたことは、子どもたちにとって幸せなことだと感じています。
日本にも愛着が芽生え、アジア人同士の絆もでき、国籍関係なく人との繋がりや学びの幅を経験できたので、将来的に地球のどこで過ごすにしても困らない人間の基盤が出来たのではないかと感じます。母としても「子連れで外国に住み働く」を経験できて、強くなりました。自分の人生をドライブしている感覚があるのが、何より楽しいです!
長い人生のうち一度は海外に住みたいと思っている人がいるならば、私のストーリーが一つの参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました!
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