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今月は、自由テーマでの掲載です。
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ニーハオ!深圳在住の吉岡です。
今回は、「私にとって働くとは?」というテーマで書いてみます。改めて振り返ってみると、ある変化に気が付きました。
何のために働くのか?
日本で働いていた新卒の頃は、働くこと自体に意味を求めていて、「やりたいことを仕事にしたい」、「社会貢献できる大きな仕事がしたい」という思いが強くありました。よくも悪くも仕事が生活の中心。「仕事のために何が出来るのか?」というマインドでした。
今の私にとって働く意義は、「自分が好きな場所で、好きな人と居続けるため」です。仕事を理想のライフスタイルを叶える手段と考えるようになりました。
いつの間にか、働くことが目的から手段に変わったように思えます。
なぜこんな風に考えが変わっていったのか? ターニングポイントとなったのは、中国就職でした。
中国に呼ばれ、再び戻る

中国で働くことになったのは何かの巡り合わせかもしれません。
私が海外転職活動をしていた時期はコロナ真っただ中。海外の求人数は激減し、選べる選択肢が少なく、行きたかった国(シンガポールやカナダなど)は就職条件が厳しくなり、難航していました。
そんな時、人材企業の担当者から中国を勧められたのをきっかけに、中国転職を考え始めました。
本当は、中国は希望していませんでした。というのも、幼少期に10年間中国で生活していたため、新鮮味がなかったからです。
ただ、一方で、自分の人生のどこかで、再び中国と関わる時が来るのかもしれない、という漠然とした思いもずっとあったのも事実。人材会社の方から勧められた時は、「今がそのタイミングなのかもしれない」とすんなり受け入れたのを覚えています。
行きたい国へ固執するよりも、求められている場所で経験を積んで、実力を付けるのが結果的に近道になるのではとも考え、最終的には中国で働くことを決断しました。
「インドは行きたいと思っても行けない。でも一旦インドに呼ばれたら、それを断ることはできない」
これはインドで働いていたある友人の言葉です。最初に聞いた時は理解できなかったのですが、どうやらインドで働いている日本人に共通する考え方のようです。
もともと他の国での転職を考えていたのに、気が付いたらインド転職がとんとん拍子に進み、気づいたらインドで働くことになっていた――。それを「インドに呼ばれる」と表現するみたいです。
私も、中国への転職はスムーズに進みました。もしかしたら「中国に呼ばれていた」のかも。もし今、望んでいる扉が今開けないのであれば、開かれている扉に飛び込んで進んでみる。それも人生で大事な生き方なのかもしれません。
未知の業種の楽しさ
中国転職では、職種を変えたのもチャレンジでした。人材業界から商社の営業職と未知の世界にシフトチェンジすることにしたのです。
中国での転職活動では最終的に、人材業界と商社の2社からオファーをもらいました。決め手になったのは「なんとなくこっちの方が楽しそう」という直感。
正直、商社の仕事内容をちゃんと理解していたわけではありませんでした。今から思えばかなり考えなしの、「えいや!」での決断でしたが、直感は正しかったです(後付けですが、結果良ければ全て良しです笑)。
商社での仕事は、物流、為替の変動、製造工程、国際情勢など、多くの分野に関わるので色々なことにアンテナを張るように。色々なことに興味を持つようになりました。
例えば、お店に並んでいる商品の価格やサイズ。その一つ一つには理由があり、沢山の過程を経て手元に届きます。大げさに聞こえるかもしれませんが、提案した商品が店頭に並んだ時は、紆余曲折を得て今お店に並んでるんだな、と感慨深い気持ちになります。
中国と自分への理解が深まった2年

中国で働いて2年が経ちました。あの時、中国就職に切り替えた選択を後悔していません。当初の希望とは異なっても、勇気を出して一歩踏み出せたことに心の底から良かったと思えています。
中国で働く経験を通じて、「何のために働くのか」、「自分はどんな人生を望むのか」ということを広い視点で考えるようになったように思います。
それはひとえに、中国で様々な人生を歩む人と出会ったから。仕事を通じて社会的に立派な人材になる、というのも理想的な生き方ですが、目の前の人との出会いや共に過ごす時間を大切に、思い描いたライフスタイルを実現することこそが人生の幸せのように今は思います。
新鮮味がないのでは……と思っていた中国生活ですが、10年前との違いを体感できたり、大人になって働く立場ではまた違った視点で中国を見直すことができたりしています。
「中国を知り直すこと」、「幼少期のルーツを知ること」。
中国での2年間は、自分の育った国と自分自身について両面の理解が深まり、とても実りある時間でした。
同時に改めて気づいたのは、やっぱり中国は自分にとって最終的な目的地でないということ。いつかどこかのタイミングで、中国以外の海外にチャレンジをしたいと思っています。
とは言え、まだまだ公私ともに中国にやりたいことがあるので、もう少しここで踏ん張るつもりです!
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