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10月のトピックは、「移住後、一番嬉しかったこと」です。
つらいことも多い異国生活。アンバサダーの皆さんは、どんな瞬間に喜びを感じたのでしょうか?
はろーぽ!フィリピンのヒデシマです。
この記事を書いている9月、フィリピンではクリスマスに向けたBer Month(Septemberから、クリスマスのあるDecemberまで、“ber”の付く月がそう呼ばれます)が始まり、既にクリスマスツリーが飾られるお店もあります。クリスマスを心待ちにするのは、フィリピンの国民性の1つですね。
さて、今回のテーマは「移住後、一番うれしかったこと」。私にとってそれは、フィリピンという新しい環境の中で「受け入れられた」と実感できた瞬間です。
「受け入れられた」という実感
フィリピンで3社目の今の会社に入社して間もない頃、会社で大きな長期プロジェクトが動き出しました。
ところが、会社のメンバーは誰も同種のプロジェクト経験がなく、どのように進めてよいか迷っていました。そこで、私は新卒以来メーカーで担当してきたプロジェクト管理の経験を活かし、アクション整理や役割分担、計画づくりや進捗確認といった基本的な流れをまとめることにしました。
正直、まだ仕事を覚えきれていない時期で不安は大きく、「自分で大丈夫かな」、「新参者が出しゃばりすぎていないだろうか」とぐるぐる悩みながらの日々でした。それでも自分の経験を会社に生かそうと取り組みを続けた結果、早々に上司や同僚から仲間意識を持ってもらうことに繋がりました。
さらに、就職して半年ほど経った頃、初めて一人で顧客訪問を任されました。緊張しながら対応したところ、その場で日本人マネージャーから「ヒデシマさんが来てくれてとても助かっていますよ」との言葉をいただきました。
突然の嬉しい評価に、一瞬日本語が理解できない程でした(笑)。大人になってから、真正面から褒められる経験は多くありません。思わず、帰社中に夫にLINEで報告しました。さらには直接やり取りをする日本人マネージャーからだけでなく、実務のフィリピン人メンバーたちからも良い評価をいただけたことで、改めて新しい環境でやっていけるかもしれない、と強く実感できた出来事でした。
フィリピンで学んだ柔軟さ
もちろん、日本式のやり方がそのまま通用するわけではありません。
例えば時間感覚。最初にフィリピンで働いたときは「なぜ会議の時間を守らないのか」とイライラしていました。午後1時からの会議なのに、1時ちょうどにコーヒーを買いに行く人を見たときには、時間を守る自分がバカみたいと落ち込んでしまいました(笑)。
しかし複数の職場を経験するうちに、自然と考え方も柔らかくなっていきました。2社目ではどうしても許せなかったことが、3社目では受け流せるようになったのです。
振り返るとフィリピンで初めて勤めた会社でも遅れる人は多かったのに、当時は気になりませんでした。それは、相手との間に信頼関係があり、遅れたときに「待たせてしまった」という認識があったからでした。
信頼さえあれば許せる。そのことに気づいたとき、時間厳守ではなく、信頼関係が大切なのだと思い直すことができました。

また、フィリピンの転職文化からも学ぶこともあります。
突然退職する人も珍しくなく、「お母さんが辞めろと言ったから」といった理由すら耳にします。
日本人の感覚では呆れてしまいますが、元々物事を固く捉えすぎる節がある私にとっては、むしろそんな環境に身を置いたからこそ「嫌なら辞めればよい」と気楽に構えられるようになりました。
実際に2社目を短期で離職しましたが、フィリピンでの転職活動ではネガティブに捉えられることはほぼなく、売り手市場の転職活動ができました。フィリピンで働くことで、肩の力を抜いて快適に仕事ができるようになりました。
友人の繋がりから感じた安心感
そしてもう1つ、受け入れられたと感じた大切な出来事があります。それは、フィリピンで友人ができたことです。
大人になってから新しい友人をつくるのは容易ではないように思います。日本にいた頃の付き合いは、会社関係の人や学生時代からの知人ばかり。気軽に深い話をできる相手は少なかったです。
そんな中、GJJ海外転職デスクを通じてフィリピンに転職。現地採用の仲間と繋がって食事を重ねるうちに、一番悩みを相談できる存在になりました。
それを実感したのは、こんな出来事がきっかけでした。
ある日、とある知人から「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン、感情や周囲の刺激に敏感な人の意)ですよね」と言われたのです。私はどきりとし、「神経質すぎることを言っただろうか」、「他の人と違う行動をしてしまっただろうか」と不安になりました。
数日後、その話をその友人たちにすると、なんと3人が3人とも「自分もHSPかもしれない」と答えたのです。しかも2人とも知識があり、「ヒデシマさんはHSPと言うより、このタイプかも……」と分析までしてくれました。
この時、友人たちは私のことをよく理解して受け入れてくれている、と感じました。それ以降、より気楽に連絡をとれるようになりました。
仕事や生活の悩みはもちろん、今後のキャリア、本帰国となったらどうするか、といったぶっちゃけ話を赤裸々に討論することも。そんな時間があることで、私は母親や会社員としての役割から少し離れ、自分自身に戻れるひとときを持てています。

日本が好きな自分にとって、フィリピンに来てからの生活は、ネガティブな面も多くありました。
けれど、職場で良い同僚に囲まれ、仲間になれたこと、そしてプライベートで肩書を超えて語り合える友人ができたこと。その両方があって、「もう少し、ここで生活してもいいのかも」と思えるようになりました。
海外就職も、海外での生活も、始めたらゴールではありません。悩むこともあるけれど、「受け入れてもらえた」という感覚こそが、ここで暮らすエネルギーになっています。
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