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はろーぽ!フィリピンのヒデシマです。
これまで3回にわたり、フィリピンでの妊娠生活を赤裸々にタイムリーにお届けしてきました。実は、その傍らで、妊娠中から進めていた大きなミッションがありました。それが、「産後の里帰り」です。
今回は、海外出産からの初めての里帰りと、その最難関だった書類手続きについてお話しします。
フィリピンで出産を決めたワケと秘めた野望
元々は日本での出産を希望していた私。日本の病院に里帰り出産を相談すると、出産予定日の2か月前からの通院が必要と言われました。
でも、フィリピンの産休は産前産後あわせて105日(約3か月半)。里帰りすると産後1ヵ月で復職となるため、泣く泣く断念しました。その代わり、出産予定日が10月末だったので、年末年始は日本で過ごしたい!という野望を抱きました。
ところが周りの日本人に相談すると、2か月での帰国は無理、という意見が大多数。
理由は2つ。ひとつは、産後まもない母体が日本の冬に耐えられるのかという健康面。もうひとつは、赤ちゃんのパスポートやビザ取得までの道のりがとにかく大変という現実的な問題です。
体調管理は気合いでなんとかするとして(おすすめはしません)、最大のハードルである書類手続きについては、ひとつひとつ対策することにしました。
年末日本への野望①戸籍謄本申請編
最初の手続きは、日本戸籍への登録です。
まずは、赤ちゃんが生まれた市区町村(マニラ市など)に出生届を出します。
次に、フィリピンの出生届とともに、日本における出生届を日本大使館に提出します。
しかし、フィリピンの出生証明書には日本語訳が必要。これが地味に大変でした…。
大使館のWebサイトには、フィリピンの出生証明書(英語)を日本語に翻訳する際に使えるフォーマットがあります。それを参考にすればよいのですが、書類には手書きのサインやハンコが多く、判読が難しい部分も。しかも分量もあり、産後の頭にはなかなか堪えました(笑)。
こうした事前作業を終えて大使館に出生届を提出できれば、日本の市町村で処理→反映後にフィリピン大使館経由で入手、という流れになります。
ただし問題は、大使館経由では1か月以上は時間がかかるということ。書類不備があれば、国際郵便のやり取りでさらに長引きます。
そんな中、代理人を立てて、日本の自治体で戸籍謄本を取得し、郵送してもらったという話を聞き、私も市役所に問い合わせてみることに。結果、代理人(母)を通じて書類のやり取りができ、必要書類に不備がないかメールで事前確認までしてもらえるというありがたい対応!
母が窓口に行く頃には書類の抜け漏れがない万全の状態で、1週間かかるはずだった戸籍反映がなんと2日で完了。しかも、完了時にはわざわざ実家に電話をくださるという神対応に感動しました…!
年末日本への野望②パスポート申請編
こうして産後1か月で無事、戸籍謄本を入手。すぐにパスポート申請に進みました。
パスポート申請は。フィリピンの日本大使館で行い、日本と同様の書類(戸籍謄本、申請書、証明写真など)が必要です。
戸籍謄本を入手してひと段落したのもつかの間、次に苦労したのが赤ちゃんのパスポート写真!生後1か月の赤ちゃんは首が座っておらず、フラッシュも目に悪そうで、写真館での撮影はできません。
ネットで調べ、大人が白い布を被って赤ちゃんを支えたり、白い布の上で寝かせて撮るなど工夫を重ねました。それでも写真屋さんに送ると、「背景が暗い」「服が顎にかかってる」などでNGが出て、やり直しに…。
最終的には写真屋さんに背景を加工してもらい、無事パスポート申請に使える写真に。まさか写真でここまで苦戦するとは思いませんでした…。
年末日本への野望③ビザ申請編
ようやくパスポートが無事に取れても、手続きはまだ終わりません。
フィリピンで生まれた外国籍の赤ちゃんが初めて出国するには、「ECC(Emigration Clearance Certificate)」という出国許可証が必要です。これは、親子のパスポート・顔写真・出生証明書・ビザなどをもって、移民局で申請します。
受け取りは代理人でもOKですが、申請時は親&赤ちゃん本人が行く必要がありました。我が家から移民局は片道2時間かかり、赤ちゃんにとっては初めての長距離移動。いつ泣き出すか分からない赤ちゃんを連れていく道中は正直ハラハラでした…。
ただ、私は会社の総務スタッフが同行&情報収集をしてくれたので、手戻りが無かったことは本当に良かったです。
こうして、戸籍、パスポート、ビザ、ECCと怒涛の手続きを乗り越え、無事、年末のフライトに間に合いました。

年末日本への野望④手続きまとめ
今回、私が経験した赤ちゃんのパスポート取得までの手続きはこんな感じでした。結果としては、出産して2カ月後で渡航することができ、無事年末年始を日本で過ごすことができました。
ただ、そのキーとなったのは2つのポイントです。
1つ目は、産前から家族や日本の自治体と連携し、出生届を紙で提出する前に事前添削してもらったこと。書類に不備があり、結局修正を2回したので、最初から紙でやり取りしていたらと思うとゾッとします。
2つ目は、現地総務スタッフと早めに帰国日を共有し、手続きの逆算を行っていたこと。
特に、フィリピンは11月以降祝日が多く、役所も混雑するため、早め早めの行動が重要でした。

手続きは次から次へと難関が立ちはだかるRPGゲームの様で、産後&慣れない育児の中で、しかも短期間で対応するのは大変でした。しかし、実家に帰って、両親に孫を抱かせてあげられた瞬間、「頑張ってよかったな」と心から思いました。
日本が好きだからこそ頑張れた今回の手続き。
これから帰国を考えているパパママと赤ちゃんの参考になれば幸いです!
★★★
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