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9月のトピックは、「夏休み」です。
日本のお盆休みは過ぎましたが、アンバサダーの皆さんはどんな休暇を過ごしたのでしょうか?
ご当地祝日に突然の祝日発表も
はろーぽ!フィリピンのヒデシマです。今回は、「フィリピンでの夏休みの過ごし方」についてご紹介します。
日本の夏休みは、真夏の厳しい気候や農業の繁忙期を考慮して作られたと言われています。一方、常夏のフィリピンには“夏休み”という概念はありません。
インターナショナルスクールでは6〜8月にサマーブレイクがあり、ショッピングモールも「Summer Vacation」セールを実施。日本人ファミリーたちは日本へ帰国することも多いようで、少し夏休み感があります。
ただ、日本のお盆休みのように、会社が一斉に休暇をとるような夏休みはありません。かつ我が家は共働きで子供も未就学。夏休みを感じるのは、日本からの仕事の連絡が減る瞬間くらいです(笑)。
その代わりに今回は、ホリデーつながりでフィリピンの祝日や長期休暇をご紹介!祝日の追加や地方ごとの記念日休暇で、カレンダーが日々変化するフィリピン事情をレポートします。
フィリピンは祝日が多い国?
勤め先のシンガポール人や日本人からは「またフィリピンは休み!?」と言われることがあります。フィリピンは他国より休みが多い印象で、しかも最近さらに増えているように感じます。
調べたところ、フィリピンは年間12日の「正規祝日」と最大11日の「特別(非労働)日」があり、2025年も合計23日の祝日が予定されています(予定と書いたのは、まだ増える可能性があるため)。
これは日本(約17日)やアメリカ(11日)より多め。世界最多はインド(21〜26日)のようです。東南アジアではマレーシア(18日)やタイ(16日)も多いですが、フィリピンは世界的に見ても祝日の多い国と言えるでしょう。
年々増える祝日?その背景は
さて、私の体感で、年々祝日が増えているような気がしています。新たに3連休ができたり、急に明後日が休日になったり。
これも調べてみたところ、やはり間違っていませんでした。
2022年に大統領に就任したマルコスJr.政権では、「ホリデー・エコノミクス政策(Holiday Economics)」を2023年から開始。週の中日にくる祝日を月曜や金曜に移動させて3連休にするという政策で、国内消費や観光を促進する目的があるとのこと。
また、臨時祝日の発表が頻繁なのもこの政策の影響。1週間前や3日前に突如「明日休み!」と発表されるケースも増加。2025年もすでにいくつかの臨時休暇が発表されています。今年も7月時点では23日祝日が確定していますが、年末時点ではもっと増えているかもしれません。
フィリピンでは地方自治体独自の祝日も存在し、日本の市町村長クラスが自治体の「創立記念日」などを祝日にすることができます。何日がその祝日にあたるかも年度によってまちまちです。
例えば私が住んでいるラグナ州サンタロサ市には、「Sta. Rosa Day(サンタロサデー)」という市の創立記念日があります。これも今年は、7月8日に2日後の10日をSta. Rosa Dayにするとアナウンスされました。

日本人からすると、国の中でバラバラ休みがあったり、その休みの決定も急だったり、と言うような事態はカルチャーショックですよね。
特に日本人マネージャー層は「また休み!?」と社内調整に追われたり、急に休みになって出張者が暇を持て余したり、ということもしばしば。
最初は私自身、この変化に戸惑いましたが、今はラッキー!と休みを満喫しています。日本の様に1年先のカレンダーが定まって予定が立てやすいのと、フィリピンのようにサプライズ祝日がある生活、皆さんはどちらが良いですか?(笑)
フィリピン人の長期休暇の過ごし方
さて、祝日が多いフィリピンですが、9月、10月だけは祝日ゼロ月間です。2024年もそうでした。
そのため、日本人駐在員や、フィリピン人マネージャー層はこのタイミングで長期休暇を取ることも多いです。

引用元:Philippines Holiday 2025 – Happy Learning Academy
長期休みを取った会社のフィリピン人メンバーに過ごし方を聞いてみたところ、主に下記のパターンでした。
①海外旅行(日本が人気で、大阪に行ったメンバーと北海道に行ったメンバーがいました)
②地元へ帰省(フィリピン人メンバーたちは地元が遠いことが多く、船とバスの乗り継ぎで7時間、陸路で5時間など時間と費用がかかりすぎて長期休みでないとなかなか帰れない)
③帰省してきた家族との時間(フィリピンは海外労働者が多く、その多くが1年か2年に1度長期休暇をもらってフィリピンに帰国します。フィリピンにいる残りの家族はその間休暇を取って家族と時間を過ごします)
過ごし方は日本もフィリピンも変わりませんね。
ちなみに出不精のヒデシマ家は、子供が小さいことを言い訳に、直近の長期休暇は近所でのんびり過ごしました。

フィリピンに初めて来たとき、ゴールデンウイークも夏休みもないことからちょっとげんなりしていました。ところが生活してみると祝日が多く、「また休み!?」と今でも良い意味で驚いています。
予定通りに動く日本のカレンダーと、予想外のサプライズが多いフィリピンのカレンダー。
どちらが良い・悪いではなく、この柔軟さこそがフィリピンらしさ。
まさか政策が絡んでいたとは……と5年目にしてまた新たなフィリピンに出会った気分です。今ではカレンダーの変化をちょっと楽しみにしています。
★★★
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