ニーハオ!中国在住の吉岡です。
今回のテーマは「私の関心事」。近頃、中国の同僚や友人との会話でよく耳にするのが結婚の話題です。中国帰国子女の私でさえも驚いてしまう、結婚観や仰天エピソードの数々。今回は、私自身が特に「面白い!」と感じたことをご紹介します。
*友人の体験談を元にしているため、一個人の意見としてご一読ください。
驚くべき開放さ!公園に張り出されるお見合い情報
まずは、お見合い向けのプロフィールです。年齢や趣味嗜好など個人情報満載ですが、中国の広東省地方では、街中や公園などで普通に貼り出されています(笑)。
日本では通常、結婚相談所やお見合いパーティーなどでも相手のプロフィールは伏せられてやり取りされると思いますが、ここ中国では、街中を歩いていると結婚相手の応募ポスターとプロフィールを目にすることが多々あり、積極果敢なアプローチにただただ驚くばかりです。
沢山の男女のプロフィールが一斉に張り出されている光景に、思わず足を止めてしまいます。好奇心に駆られて、プロフィールを覗いてみると、性別、身長、年齢、年収、仕事内容、性格、結婚歴、求めているパートナー像など非常に事細かい内容が書かれています。
読んでいると相手の人物像がありありと想像できるほどで、「ここまで書かなくても!」と驚くばかり。日本人目線だと、「個人情報的にまずいのでは…」とどうしても気になってしまうのですが、周りには沢山の人だかり。皆さん興味津津の様子でプロフィールを覗いていました。
ここまでオープンなお国柄なので、より身近なところで相手探しの情報に触れることもあります。
例えば、以下の写真は私が住んでいるマンションのグループチャットですが、先日、お見合い希望相手の募集案内が送られてきました。このチャットは通常、何か住居で問題が発生した時や、重要な情報の周知のために使用されるものですが、どんな小さなチャンスでも物にしようとする強い熱意を感じます(笑)。
このメッセージの内容を簡単に要約すると、親戚が姪のために結婚相手を探しているとのこと。女性についての紹介や、どのような男性像を求めているが書かれています。
日本では、親しい友人や家族以外ではここまでオープンにすることはまずないので、やややりすぎ感もありますが、ここまで自由に情報を公開する中国の結婚文化には驚きを通り越して感嘆の声が漏れます……。
モールで公開お見合い?!仰天イベントの数々
ある日、ショッピングモール1階の大広間で、公開お見合いイベントが開催されていました。
中国のショッピングモールは大体が4階から5階建て。中央部分が吹抜け形式の建築スタイルなので、最上階からでも1階のフロアからでも一望することができます。
つまり、このお見合いイベント。見ようと思えば、全フロアの来場者がその様子を眺められます。衆人環視の中で堂々でお見合いできるメンタリティーも、さすがの一言です。
「家」と「車」、婚活2大重要要素!
中国の男性が結婚を考える際、必ずと言って良いほど考えなければいけないのが「家と車」。
男女平等が謳われている今の時代、女性蔑視の言い方になってしまいそうですが、
中国では男性が意中の相手と結婚を考える際に、この2大アイテムを持っているかどうかが重要な要素です。
もちろん、個人や家庭の状況によるので、全てこの通りという訳ではありません。それでも、友人たちが結婚について話題にする時、家や車の話題は一緒に語られることが多いように感じます。
また、結婚する当の本人があまり気にしなくても、家族からのチェックが厳しいのが現実です。特に、女性側の家族は男性側の保有資産について、厳しい目で見ます。若い男性でまだ財力が確立されていない場合、家族や親戚総出で息子の結婚のために出資するようです。
結婚・出産、家族や親せき全員が前のめり
中国では、日本以上に家族からの結婚に対するプレッシャーが強いように感じます。
「毎週祖父から電話があり、彼氏ができたかどうか聞かれ、ないと答えると電話を切られる」。こんな話を同世代の同僚から聞き、家族の結婚への介入の度合いに驚きとショックを受けたのを今でも覚えています。
彼女の話によると、家族だけでなく、ほかの遠方の親戚からのプレッシャーも大きいとのこと。お正月に実家へ戻った際には、無断でお見合いの予定が入れられていたこともあったようです。
ある時、「本人同士の結婚なのに、家族がそこまで介入してくるの?」と聞いてみたところ、中国では結婚や出産は両者間だけではなく、家族全員の関心事のため、年頃になると家族や親戚など全方位からプレッシャーがかかり、逃げ場のない四面楚歌状態になると……。
日本でも結婚は両家の決めごとと捉えられ、結婚できない子どものために親が熱心に代理婚活に励むようすなどがたびたびメディアで報じられますが、中国は日本以上に家族が介入してくる度合いが強いように感じます。
また、彼女だけでなく、周囲の中国人の友人も、家族から結婚を急かされている様子。今すぐ結婚したくない気持ちを持ちつつも、家族や親戚からの強い期待に押され、せざるを得ない状況に追い込まれているようです。日本よりも開放的な一面を持つ一方で、結婚については伝統的な価値観が根強いようです。
国が違えば、結婚観も色々。そう思いながらも、彼女たちのジレンマを垣間見て、私自身もなんだか息苦しい気持ちになってきます。 「オープンさ」と「プレッシャー」。中国の結婚事情は一筋縄ではなさそうです。
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